ArtNote/作家/渡辺喜三郎, 三代
ARTIST

渡辺喜三郎, 三代

1910 – 1986日本 出身日本
1850189419381982現在
■ 渡辺喜三郎, 三代の生涯 1910–1986

三代渡辺喜三郎は、江戸の漆器の伝統に立つ東京の塗師。家系の専門の資料によれば、初代喜三郎の(初代の三男を通じた)孫で、明治43年(1910年、アートプラットフォームジャパンなど一部の資料は1909年とする)5月1日に生まれ、昭和61年(1986年)1月6日に没した。祖は室町期の京の塗師に連なるとされる、幾代にもわたる東京の漆の工房に属し、京の漆の家・中村宗哲と並べて「西の宗哲、東の喜三郎」と称される。二代(1869–1943)は明治〜昭和の実業界の大数寄者と深く結び、三代もその好みに応じて、通常の厚い塗り重ねではなく、異例に薄く繊細に仕上げた木地に、切れのある抑えた江戸風の漆を施した、懐石の膳・茶碗・棗などを作った。こうした工房の常として制作は分業で、木地は木地師・田上助四郎が挽き、蒔絵は蒔絵師・守屋松亭が施し、喜三郎自身は漆の塗りを担った。その圏に連なる後援者・数寄者には、益田鈍翁(益田孝)・団琢磨・高橋箒庵・畠山即翁・堀越宗円ら、当代を代表する茶の湯の数寄者がおり、その注文が工房の作を形づくった。以上の系譜・技の詳細を超える、正規の修学・出品歴・受賞などの独立に確認できる伝記は、あたった資料では裏づけられなかった。

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